看護師の採用を検討されている医療関係者の方は、こんな話を聞いたことはないでしょうか。

「看護師の派遣は違法である」「看護師派遣は原則禁止である」

しかし結論として、看護師派遣は”合法”であり違法・禁止のものではありません。
ただ、違法にならないための条件がいくつか設けられています。

万が一、やぶってしまった場合には罰則の対象になってしまう可能性があるため、注意が必要です。

この記事では、看護師が違法と言われてしまう理由を法律を元に紐解きながら、違法になるケースとならないケース、上手な派遣会社の選び方をご紹介していきます。


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1. 看護師派遣は禁止されている訳ではない

この章では、看護師派遣に関する根拠となる法律の記載、禁止のイメージを持たれがちな理由についてご紹介していきます。

1:1. 医療従事者の派遣に関する法律

まず、派遣で働く労働者の権利保護のための法律に『労働者派遣法』があります。
その中に、医療従事者の派遣に関する法律も定められています。

看護師を含む医療従事者には、派遣が利用できるケースがある一方で、利用できないケースも多岐にわたります。
以下が、禁止事項を記した文書の抜粋です。

◆病院・診療所等における医療関連業務の禁止◆

医師、歯科医師、薬剤師の調剤、保健婦、助産婦、看護師・准看護師、栄養士等の業務
ただし、以下の場合は可能である。

(1)紹介予定派遣
(2) 病院・診療所等(介護老人保健施設または医療を受ける者の居宅において行われるものを含む)以外の施設。
(社会福祉施設等)で行われる業務。
(3)産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務。
(4)就業の場所がへき地・離島の病院等及び地域医療の確保のため都道府県(医療対策協議会)が必要と認めた病院等における医師の業務。

引用:一般社団法人 日本人材派遣協会「労働者派遣の禁止業務」

医療従事者の派遣は、業務内・形態、職場等により制限のあるものが多いので禁止のイメージを持たれがちですが、一部のケースを除いて医療従事者(看護師含む)の派遣は禁止されているわけではないのです。

1:2. なぜ看護師派遣が禁止というイメージがあるのか

看護師派遣が禁止されているという認識を持つ方はいまだに多いですが、なぜでしょう。考えられる理由として2つあります。

1つは「派遣法による制限」、そして「看護師の仕事内容」です。

◆原因①: 「派遣法による制限」

1986年に労働者派遣法が施行された当時、派遣が許可されていたのはたった13種類でした。

更に1999年、ネガティブリスト(原則規制がない中で、例外として禁止するものを列挙したリスト)が施行されましたが『病院・診療所での医療業務』もリストに入ったことが、現在に至るまで”看護師=派遣禁止”と間違ったイメージを生んでしまう原因になったと考えられます。

しかしながら、歳月を追うごとに派遣規制は緩和され、現在ではほとんどの職種で許可されるようになりました。

尚、労働者派遣法については[5. 看護師派遣の歴史]でも詳しく解説しています。

◆原因②: 「看護師の仕事内容」

医療は、人命にかかわる非常に重要かつ慎重さが求められる仕事です。
医師を中心に、看護師や薬剤師、各分野の専門職らがチームを組んで一丸となって行われます。

患者に適正な医療を提供するには、チームメンバーの連携はもちろん、各個人の高い能力や治療方法の把握が求められます。

しかし、派遣といった期間限定の形態となると、上記の業務を完璧に遂行出来るのかといった不安なイメージばかりが先行してしまいます。

一般的な派遣と違い、看護師派遣が全面的に認められないのは、このような理由が背景にあると考えられます。

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2. 看護師派遣|違法ではないケース

この章では、看護師派遣が違法ではないケースをご紹介していきます。
以下の4つに該当する派遣であれば、違法になりません。

2:1. 紹介予定派遣(TTP)である

一般的に医師、歯科医師、薬剤師、看護師・准看護師、助産師、保健婦、栄養士などの医療従事者は派遣が認められていません。

しかし、正社員を前提とした紹介予定派遣については許可されています。

紹介予定派遣とは、最大6ヵ月派遣として働き、その後双方合意の上で正社員になるという雇用形態です。
受入側の病院・医療施設のメリットとしては、看護師のスキルや知識、働きぶりをよく見たうえで採用の判断が出来ます。

看護師側としても、職場の雰囲気や人間関係を知ったうえで正社員の判断が出来るので、雇用後のミスマッチが少ないことが特徴です。

万が一、正社員としての受け入れを認めなければ、派遣期間の満了をもって契約終了といった対応が取れます。

2:2. 病院、診療所以外の施設への派遣である

医療機関である(派遣NG) 医療機関ではない(派遣OK)
  • 病院
  • クリニック
  • 介護老人保健施設(訪問入浴介護・訪問予防入浴介護を除く)
  • 助産所
  • 患者宅(訪問看護)
  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 社会福祉施設(保護施設 児童福祉施設 障害者施設など)
  • デイサービス
  • 保育園

なお例外として、以下のケースであれば病院・クリニックなどの医療機関への看護師派遣が可能です。

看護師派遣が可能なケース

3~6ヶ月の派遣終業後に、直接雇用に切り替わることを前提とした場合

医療機関で働く看護師が産休・育休取得時した際の、助っ人として雇う場合

2:3. 産休・育休・介護休業の代替業務である

看護師は、女性の占める割合が高い職業です。
それに比例して、結婚・出産という人生のイベントを機に職場を離れたり、お休みする人の数が多い職業でもあります。

近年、女性の社会進出や産休・育休制度も拡充しつつあるので、以前に比べ職場復帰する看護師も増えてはいますが、労働力がまだ不足しているのは事実です。

こうした背景も踏まえ、労働者派遣法では産休・育休・介護休業の代替労働力として看護師派遣を認めています。

2:4. 特定エリアでの医療業務

『特定エリア』とは、以下のいずれかに該当することをいいます。

  • 離島などの僻地
  • 地域の医療確保のため派遣を従事させる必要があるとして、厚生労働省令で定められた場所

上記のような場所は医療体制が脆弱であることが多いため、例外として看護師派遣が認められています。

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3. 看護師派遣|違法となるケース

続いて、看護師派遣が違法となってしまうケースをご紹介します。

3:1. 紹介予定派遣、代替業務以外で病院・診療所へ派遣勤務させる

第2章でご紹介した『看護師派遣が違法ではないケース』以外の条件で、病院や診療所へ派遣勤務させた場合には違法となります。

違法ではないケースとは、具体的に「①正社員を前提とした紹介予定派遣」「②産休・育休・介護休業の代替労働力としての派遣」であることの2点です。

詳しくは<<[2. 看護師派遣|違法ではないケース]をご覧ください。

3:2. 無許可の派遣会社から勤務させる

そもそも派遣業とは、厚生労働省の許可を得た事業者のみが運営できるため、厚生労働省無許可の派遣会社と契約することは違法派遣となります。

万が一違反した場合には、派遣会社が罰せられるのはもちろん、派遣先企業も責任を取る必要があります。具体的には、その派遣スタッフを直接雇用することです。

派遣先が事業所単位の派遣期間の制限または派遣労働者個人単位の派遣期間の制限に違反して労働者派遣を受けた場合には、派遣先が労働契約の申し込みをしたものとみなされることを併せて明示しなければならないとされています。(労働者派遣法第34条第3項)
引用元:厚生労働省「労働契約申し込みみなし制度の概要」

3:3. 3年以上派遣として勤務させる

看護師に限らず、派遣は同じ職場(※)への派遣期間が上限3年と法律で定められています。
そのため、3年を超えて派遣として勤務させた場合違法となってしまいます。

もし、同一の派遣スタッフを引き続き勤務させたい場合は、直接雇用をする必要があります。

※同じ職場とは・・・
シフト管理、指揮命令者が同じであること。
別フロアであったり、シフト管理者が異なる場合には違う職場とみなされます

なお、派遣期間については以下の記事でも詳しくご紹介しているので参考にして下さい。

3:4. 面接や書類選考などの選考行為を行う

派遣とは、派遣会社で雇用しているスタッフを就業先に送り込む形となるため、派遣先企業が直接的に面接といった選考行為を行うのは禁止されています。

違反した場合
派遣先企業および派遣会社の両方に、懲役あるいは罰金刑
派遣先企業と派遣会社に一年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。
(職業安定法第5章第64条)

なお、派遣を活用する際の注意点をまとめた以下の記事も参考にして下さい。

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4. 看護師派遣|違法・違法ではないケースを一括紹介

ここでは、前章でご紹介した内容をもとに、看護師派遣において違法になるケース(✕)・ならないケース(〇)を一括紹介します。

①紹介予定派遣 ②産休・育休・介護の代替 ①,②以外の派遣
病院 ×
診療所 ×
助産院 ×
介護老人保健施設 ×
患者宅(訪問看護) ×
健診センター ×
デイサービス
有料老人ホーム
特別養護老人ホーム
社会福祉施設
保育園
離島などの僻地
厚生労働省令で定められた場所

<<[4. 看護師派遣|違法・違法ではないケースを図で解説]TOPに戻る
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5. 看護師派遣の歴史

続いては、看護師派遣の歴史を紐解いていきます。
看護師派遣が違法であると認識されがちなのは、歴史をさかのぼるとその理由が明らかになってきます。

早速ご紹介していきます。

1986年|労働者派遣法が施行

派遣法(労働者派遣法)は、1986年に初めて制定されました。
以降、派遣スタッフの権利を保護するの同時に、労働者派遣事業における適切な運用を確保するために、都度改正加えられてきました。

1999年|ネガティブリストへ看護師派遣が追加

それまでの間、派遣は一部の職種のみに許可される形式でしたが、1999年の法改正により派遣を許可する範囲が一気に拡大しました。

しかし同時に、”ネガティブリスト”といって「次の職種以外の派遣は許可する」といった派遣NG一覧が作成されたのです。

その中に看護師派遣も含まれていました。以下がネガティブリストです。

ネガティブリスト(1999年施行)
湾港運送業務
建設業務
警備業務
病院・診療所での医療業務
弁護士・公認会計士・税理士などの士業
建築士事務所の管理建築士など、他の法令で禁止されている業務
人事労務関係で労使協議の際、経営者側の直接当事者として行う業務

これら以外の派遣就業は許可される。

2006年~現在|看護師派遣の一部解禁

しかしながら2006年の法改正により、医療関係業務の一部派遣は解禁されました。
それ以降も度々法改正は行われていますが、看護師派遣については引き続き条件つきで、許可されています。

未だにインターネット上には、1999年のネガティブリストのみがクローズアップされた形で掲載された記事も散見されます。
そのため、”看護師派遣が違法”といった誤認を抱いてしまう方が後を絶たないのです。

派遣法改正については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にして下さい。

<<[5. 看護師派遣の歴史]TOPに戻る
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6. 看護師派遣|違法にならない派遣会社の選び方

看護師派遣自体は違法ではないものの、派遣会社との契約において気づかぬうちに違法行為をおかしてしまうこともあります。

この章では、違法にならない安全な派遣会社を選ぶ方法をご紹介します。

6:1. 「厚生労働省許可番号」が提示されている

違法にならない派遣会社を選ぶには、まず厚生労働省許可番号が提示されているかをきちんと確認し、派遣会社を選ぶことが重要です。

厚生労働省許可番号は、ホームページ等に「派●●-●●●●●●」といった”派”からはじまる2・6桁桁の数字が提示されています。

そもそも厚生労働省の許可がないと労働者派遣事業を行うことは出来ないため、許可番号を持たない派遣会社は違法となります。

「厚生労働省許可番号」取得について
厚生労働省による派遣業の許可を得るには、厚生労働省が定めた何十にも及ぶ厳しい基準を全てクリアしなければなりません。

また、免許には有効期限があるため更新し続けるにあたり5年毎(初回は3年後)に同様の基準をクリアしなければなりません。

万が一、ひとたび違法行為が発覚した場合には、即座に免許が取り消されるといった厳しい罰則もあります。
厚生労働省の摘発は非常に厳格で、平成28年にも複数派遣会社が取消・事業廃止が命じられました。

参考:
厚生労働省「一般労働者派遣事業の許可の要件」
厚生労働省「労働者派遣事業の許可を取消し、特定労働者派遣事業の事業廃止を命じました」

6:2. 株式上場して基盤が安定している

厚生労働省許可の会社に加えて、東証・JASDAQといった株式上場した会社を選ぶとよいでしょう。

上場するにあたり企業は財務・経営状況を世間に公表しなければなりません。
そのため、常に株主に見られる対象となります。よって、”上場企業は一定の社会的信用性がある”ことを示すために、不正行為を行いにくくなります。

株式上場しているかどうかは、会社としての信用性を見る分かりやすい指標です。

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7. まとめ

この記事では、看護師が違法と言われてしまう理由を法律を元に紐解きながら、違法になるケースとならないケース、上手な派遣会社の選び方をご紹介しました。

なお、文中でご紹介させていただいた派遣コネクトは、貴社の採用に関する課題をヒアリングし、条件に合わせてコーディネーターが最適な派遣会社を提案するサービスです。

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