少子高齢化社会により、介護の需要は増え続けています。

派遣法改正によって、病院等における医療関係業務での派遣は一部禁止とされていますが、訪問ヘルパーといった介護業務の派遣はそこに含まれるのでしょうか。

この記事では、介護派遣は禁止か否かをご紹介した上で、「派遣適用除外業務」における医療関係業務をピックアップしてご紹介していきます。

介護の派遣について知りたい方は、ぜひ参考にして下さい。


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1. 介護派遣は禁止か否か

1:1. 介護派遣は禁止されていない

派遣法では、医療従事者の派遣が一部禁止されています。
では「ホームヘルパー」など介護の業務は、禁止とされる医療関係の業務に該当するのでしょうか。

結論として、介護の業務は『派遣法施行令第2条』で列挙されている禁止事項には含まれないため、派遣を利用しても問題ありません。

たとえば派遣先の対象が病院等であっても、違法ではありません。

1:2. 派遣の禁止業務(適用除外業務)

しかし中には、「介護も医療従事者の括りとして同じなのではないか」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

ここでは派遣の禁止業務(適用除外業務)に関して、派遣法施行令第2条で記載された文書を詳しくご紹介します。

派遣の禁止業務(適用除外業務)

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業法
  • 医療関係の業務 (病院等で行われる看護補助や介護の業務を除く)
  • その他(弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士等)

関連記事: 労働者派遣が禁止されている業務一覧|例外や禁止の理由も解説

ここに「病院等で行われる看護補助や介護の業務を除く」とは、医師、歯科医師、薬剤師の調剤、保健師、助産師、看護師、准看護師、栄養士などの業務を指します。
つまり、適用除外業務(派遣禁止業務)の中に介護は含まれていないことがわかります。

では一体、どのような医療関係の業務が禁止事項となっているのでしょうか。

1:3. 医療関係の業務が禁止である項目

以下の項目が、病院・診療所等における医療関連の禁止業務となっています。

◆医療関係の業務が禁止である項目◆
病院・診療所等における以下の業務

  • 医師
  • 歯科医師
  • 薬剤師
  • 臨床検査技師
  • 歯科技工士
  • 理学療法士
  • 看護師
  • 准介護
  • 保健師
  • 助産師
  • 作業療法士
  • 臨床工学技士
  • 視能訓練士
  • 歯科衛生士
  • 救急救命士
  • 義肢装具士
  • 診療放射線技師
  • 栄養士
  • 言語聴覚士

参考:一般社団法人 日本人材派遣協会「労働者派遣の禁止業務」

したがって、介護の業務は派遣禁止の対象外なのです。

ただし、上記にあげた医療関連業務にも例外として派遣が活用できるケースがあります。
以下の記事で詳しくご紹介しているので、参考にして下さい。

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2. 介護派遣|違法となるケース

続いて、介護派遣であっても違法となってしまうケースをご紹介します。
なお、こちらは介護に限らずどの業種においても違法となるので注意が必要です。

2:1. 無許可の派遣会社から勤務させる

そもそも派遣業とは、厚生労働省の許可を得た事業者のみが運営できるため、厚生労働省無許可の派遣会社と契約することは違法派遣となります。

万が一違反した場合には、派遣会社が罰せられるのはもちろん、派遣先企業も責任を取る必要があります。具体的には、その派遣スタッフを直接雇用することです。

派遣先が事業所単位の派遣期間の制限または派遣労働者個人単位の派遣期間の制限に違反して労働者派遣を受けた場合には、派遣先が労働契約の申し込みをしたものとみなされることを併せて明示しなければならないとされています。(労働者派遣法第34条第3項)
引用元:厚生労働省「労働契約申し込みみなし制度の概要」

2:2. 3年以上派遣として勤務させる

介護に限らず、派遣は同じ職場(※)への派遣期間が上限3年と法律で定められています。
そのため、3年を超えて派遣として勤務させた場合違法となってしまいます。

もし、同一の派遣スタッフを引き続き勤務させたい場合は、直接雇用をする必要があります。

※同じ職場とは・・・
シフト管理、指揮命令者が同じであること。
別フロアであったり、シフト管理者が異なる場合には違う職場とみなされます

なお、派遣期間については以下の記事でも詳しくご紹介しているので参考にして下さい。

2:3. 面接や書類選考などの選考行為を行う

派遣とは、派遣会社で雇用しているスタッフを就業先に送り込む形となるため、派遣先企業が直接的に面接といった選考行為を行うのは禁止されています。

違反した場合
派遣先企業および派遣会社の両方に、懲役あるいは罰金刑
派遣先企業と派遣会社に一年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。
(職業安定法第5章第64条)

なお、派遣を活用する際の注意点をまとめた以下の記事も参考にして下さい。

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3. 医療関連業務と派遣の歴史

続いては、 医療関連業務と派遣の歴史を紐解いていきます。
医療関連業務の派遣の禁止に関する内容は、歴史をさかのぼるとその理由が明らかになってきます。

早速ご紹介していきます。

1986年|労働者派遣法が施行

派遣法(労働者派遣法)は、1986年に初めて制定されました。
以降、派遣スタッフの権利を保護すると同時に、労働者派遣事業における適切な運用を確保するために、都度改正が加えられてきました。

1999年|ネガティブリストへ病院・診療所での医療業務が追加

それまでの間、派遣は一部の職種のみに許可される形式でしたが、1999年の法改正により派遣を許可する範囲が一気に拡大しました。

しかし同時に、”ネガティブリスト”といって「次の職種以外の派遣は許可する」といった派遣NG一覧が作成されたのです。

その中に病院・診療所での医療業務も含まれていました。以下がネガティブリストです。

ネガティブリスト(1999年施行)
湾港運送業務
建設業務
警備業務
病院・診療所での医療業務
弁護士・公認会計士・税理士などの士業
建築士事務所の管理建築士など、他の法令で禁止されている業務
人事労務関係で労使協議の際、経営者側の直接当事者として行う業務

これら以外の派遣就業は許可される。

2006年~現在|医療関係業務の一部解禁

しかしながら2006年の法改正により、医療関係業務の一部派遣は解禁されました。
それ以降も度々法改正は行われていますが、医療関係業務の派遣については条件つきで許可されています。

未だにインターネット上には、1999年のネガティブリストのみがクローズアップされた形で掲載された記事も散見されます。
そのため、”医療関係業務が違法”といった誤認を抱いてしまう方が後を絶たないのです。

派遣法改正については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にして下さい。

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4. 医療関連業務|違法ではないケース

この章では、1:3. 医療関係の業務であっても違法ではないケースをご紹介していきます。
以下の4つに該当すれば違法になりません。

4:1. 医療機関以外の施設への派遣である

介護派遣をしてよいのか悩んでしまう要素として、恐らく業種毎における派遣可・不可のすみわけが複雑であることが原因かもしれません。

冒頭で申し上げた通り、介護業務自体は派遣禁止ではありません。
しかし、業種(例えば医師、看護師等)により介護老人保健施設への派遣が禁止とされています。

以下、医療機関のすみわけ毎の派遣可・不可の一覧表です。

派遣NG|医療機関である 派遣OK|医療機関ではない
  • 病院
  • クリニック
  • 介護老人保健施設(訪問入浴介護・訪問予防入浴介護を除く)
  • 助産所
  • 患者宅(訪問看護)
  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 社会福祉施設(保護施設 児童福祉施設 障害者施設など)
  • デイサービス
  • 保育園

このように、介護老人保健施設(訪問入浴介護・訪問予防入浴介護を除く)は医療機関に該当するため、医師や看護師等の医療従事者の派遣が禁止されています。

ただ例外として以下のケースであれば、病院・クリニックなどの医療機関であっても派遣が可能です。

医療機関であっても派遣が可能なケース

3~6ヶ月の派遣終業後に、直接雇用に切り替わることを前提とした場合

医療機関で働く介護が産休・育休取得時した際の、助っ人として雇う場合

  • 特定エリアでの医療業務
  • 離島などの僻地あるいは、厚生労働省令で定められた場所

    4:2. 紹介予定派遣(TTP)である

    一般的に医師、歯科医師、薬剤師、看護師・准看護師、助産師、保健婦、栄養士などの医療従事者は派遣が認められていません。

    しかし、正社員を前提とした紹介予定派遣については許可されています。

    紹介予定派遣とは、最大6ヵ月派遣として働き、その後双方合意の上で正社員になるという雇用形態です。
    受入側の病院・医療施設のメリットとしては、労働者のスキルや知識、働きぶりをよく見たうえで採用の判断が出来ます。

    労働者側としても、職場の雰囲気や人間関係を知ったうえで正社員の判断が出来るので、雇用後のミスマッチが少ないことが特徴です。

    万が一、正社員としての受け入れを認めなければ、派遣期間の満了をもって契約終了といった対応が取れます。

    関連記事:『紹介予定派遣』とは|人事担当者なら知っておくべき基礎知識

    4:3. 産休・育休・介護休業の代替業務である

    近年、女性の社会進出や産休・育休制度も拡充しつつあり、以前に比べ職場復帰する方も増えてはいます。しかし、労働力がまだ不足しているのは事実です。

    こうした背景も踏まえ、労働者派遣法では産休・育休・介護休業の代替労働力として医療従事者の派遣を認めています。

    4:4. 特定エリアでの医療業務

    『特定エリア』とは、以下のいずれかに該当することをいいます。

    • 離島などの僻地
    • 地域の医療確保のため派遣を従事させる必要があるとして、厚生労働省令で定められた場所

    上記のような場所は医療体制が脆弱であることが多いため、例外として派遣が認められています。

    <<[4. 医療関連業務|違法ではないケース]TOPに戻る
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    5. 違法にならない派遣会社の選び方

    介護派遣自体は違法ではないものの、派遣会社との契約において気づかぬうちに違法行為をおかしてしまうこともあります。

    この章では、違法にならない安全な派遣会社を選ぶ方法をご紹介します。

    5:1. 「厚生労働省許可番号」が提示されている

    違法にならない派遣会社を選ぶには、まず厚生労働省許可番号が提示されているかをきちんと確認し、派遣会社を選ぶことが重要です。

    厚生労働省許可番号は、ホームページ等に「派●●-●●●●●●」といった”派”からはじまる2・6桁桁の数字が提示されています。

    そもそも厚生労働省の許可がないと労働者派遣事業を行うことは出来ないため、許可番号を持たない派遣会社は違法となります。

    「厚生労働省許可番号」取得について
    厚生労働省による派遣業の許可を得るには、厚生労働省が定めた何十にも及ぶ厳しい基準を全てクリアしなければなりません。

    また、免許には有効期限があるため更新し続けるにあたり5年毎(初回は3年後)に同様の基準をクリアしなければなりません。

    万が一、ひとたび違法行為が発覚した場合には、即座に免許が取り消されるといった厳しい罰則もあります。
    厚生労働省の摘発は非常に厳格で、平成28年にも複数派遣会社が取消・事業廃止が命じられました。

    参考:
    厚生労働省「一般労働者派遣事業の許可の要件」
    厚生労働省「労働者派遣事業の許可を取消し、特定労働者派遣事業の事業廃止を命じました」

    Check!
    なお、法令遵守はもちろん派遣社員のキャリア形成支援・労働環境の整備など、厚生労働省で定められてる一定基準をきちんと満たした派遣会社のことを『優良派遣事業者』といいます。

    『優良派遣事業者』もまた、より良い派遣会社を選ぶうえでの指針となります。
    詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

    5:2. 株式上場して基盤が安定している

    厚生労働省許可の会社に加えて、東証・JASDAQといった株式上場した会社を選ぶとよいでしょう。

    上場するにあたり企業は財務・経営状況を世間に公表しなければなりません。
    そのため、常に株主に見られる対象となります。よって、”上場企業は一定の社会的信用性がある”ことを示すために、不正行為を行いにくくなります。

    株式上場しているかどうかは、会社としての信用性を見る分かりやすい指標です。

    <<[5. 介護派遣|違法にならない派遣会社の選び方]TOPに戻る
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    6. まとめ

    この記事では、介護派遣は禁止か否かをご紹介した上で、「派遣適用除外業務」における医療関係業務をピックアップしてご紹介しました。

    なお、文中でご紹介させていただいた派遣コネクトは、貴社の採用に関する課題をヒアリングし、条件に合わせてコーディネーターが最適な派遣会社を提案するサービスです。

    料金相場の調査から派遣会社選定まで派遣コネクトが派遣会社探しをサポートいたします。人材派遣をご検討の企業担当者様はぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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