「求人広告を出したけれど、なかなか応募が来ない」
「希望の人物像ではない人から、応募が来てしまう」

その悩み、じつは募集要項に原因があるかもしれません。
募集要項は、労働条件や賃金などの待遇が明記されていればそれで良い訳ではありません。

数ある求人の中から、他社とどのように差別化して魅力的な求人を打ち出すかが、応募数を左右させるでしょう。それには「企業の第一印象」ともいえる募集要項が、非常に重要な鍵を握っているのです。

この記事では、募集要項の基礎知識や応募が殺到する書き方のポイント、注意点等を事例をもとにご紹介します。

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1. 募集要項とは

募集要項とは、求職者が仕事探しをする際に閲覧する「求人票」に掲載される内容のことです。
企業の仕事内容や待遇について一覧で書かれたものです。
求職者が一番最初に企業に触れる、いわば「企業の顔」といっても過言ではありません。

企業側としては、なるべく多くの応募者数かつ希望するスキルを持った人材を集めたいので、第一印象となる募集要項は書き方、魅せ方に十分な工夫をはかる必要があります。

求職者は数ある募集要項の中から、求職者自身の希望にマッチするかを判断しています。
求人票の募集要項は、求職者と採用者が最初に出会う大切な場面なのです。

では次に、募集要項の具体的な項目について解説していきます。

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2. 募集要項の基本項目

厚生労働省・職業安定法第5条の3第4項に基づく、明示するべき項目は次のとおりとなります。

募集要項に明示するべき項目
  1. 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
  2. 労働契約の期間に関する事項
  3. 就業の場所に関する事項
  4. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
  5. 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第八条各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項
  6. 健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険の適用に関する事項
  7. 労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
  8. 労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
  9. 就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項

(出典:職業安定法第5条の3)

また、下記の補足事項も平成11年労働省告示により新たに追加されました。

  1. 明示する労働条件等は、虚偽又は誇大な内容としないこと
  2. 求職者等に具体的に理解されるものとなるよう、労働条件等の水準、範囲等を可能な限り限定すること
  3. 求職者等が従事すべき業務の内容に関しては、職場環境を含め、可能な限り具体的かつ詳細に明示すること
  4. 労働時間に関しては、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働、休憩時間、休日等について明示すること
  5. 賃金に関しては、賃金形態(月給、日給、時給等の区分)、基本給、定額的に支払われる手当、通勤手当、昇給に関する事項等について明示すること
  6. 明示する労働条件等の内容が労働契約締結時の労働条件等と異なることとなる可能性がある場合は、その旨を併せて明示するとともに、労働条件等が既に明示した内容と異なることとなった場合には、当該明示を受けた求職者等に速やかに知らせること
  7. 労働者の募集を行う者は、労働条件等の明示を行うに当たって労働条件等の事項の一部を別途明示することとするときは、その旨を併せて明示すること

(出典:厚生労働省「平成11年労働省告示第141号、第3」)

>>先に募集要項を書く際の注意点を見る
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3. 募集要項の記入例

実際、募集要項はどのように書かれているのでしょうか。
求人票の記入例をご紹介します。

例)

業務内容 一般事務
契約期間 期間の定めなし
試用期間 試用期間あり(3カ月)
就業場所 本社(東京都千代田区大手町X-X-X)
就業時間 9:30~18:00
休憩時間 12:00~13:00
休日 土日、祝日
時間外労働 あり(月平均15時間)
* 裁量労働制では以下のような記載が必要
例「業務型裁量労働制により、○時間働いたものとみなされます。」
賃金 月給20万円(ただし、試用期間中は月給18万円)
* 「固定残業代制度」にあたる制度を適用する場合、
以下のような記載が必要
①基本給 ○○万円(②の手当てを除く額)
②○○手当(時間外労働の有無にかかわらず、
○○時間分の時間外手当として○○円を支給)
③○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給
加入保険 雇用保険、健康保険、年金保険、労災保険
募集者 ○○○○株式会社
雇用形態 契約社員
※ 派遣労働者の場合は「派遣労働者」と記載が必要

参考:厚生労働省・都道府県労働局「労働者を募集する企業の皆様へ」

必ず記入する項目以外にも、注意が必要な項目や記載してはいけない表現など、求人票には多くのルールがあります。

詳しくは、>>募集要項を書く際の注意点に書かれているので参考にされてください。

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4. 応募が殺到する募集要項の書き方


せっかく募集要項を作るなら、応募が殺到するような文章を作りたいものです。
ここでは、求職者がつい応募してみたくなるポイントをまとめました。

4:1. 求める人物像を明確に


求人票を書く前、まず一番最初にやることをおすすめするのが「求める人物像の明確化」です。

人物像の基本情報
  1. おおまかな年齢層
  2. 経験業界、業種
  3. 性格、興味
  4. 必要な技能、資格
例1
第二新卒くらいの明るく情熱的な人に、新設部門の顧客開拓営業をお願いしたい。
できればIT業界に数年身を置いていて、デジタルに関する基礎知識のある人が望ましい。
例2
子育てがひと段落した主婦層で、週2~3日簡単な営業事務をお手伝いしてくれる人。PCの基本的な作業が出来れば構わないが、事務経験が2,3年ある人が望ましい。営業事務以外の雑務もお願いする可能性があるので、柔軟で臨機応変の応じてくれる人。

求める人物像に当てはまる人たちが、どのような情報を知りたいと思うかを逆算して募集要項を書くと効果的です。
魅力的な求人を打ち出すには、何よりもまず求職者の目線に合わせることが大切です。

4:2. 会社の強みや魅力を打ち出す


会社の雰囲気や働くスタイル、会社の将来的ビジョンなどもアピールポイントとなるので、是非取り入れたい要素です。
自社の強みや魅力を過不足なく伝えることで、「こんな会社で働きたい」「楽しそうな職場だ」「成長できそうな環境だ」などと思ってもらえるので応募者の意欲を高められるでしょう。

ただし、独特・奇抜すぎるものは万人受けしずらいので、あくまでどの求職者にとっても魅力だと感じてもらえるような表現方法にしましょう。

魅力的だと感じる項目例
  1. 時短勤務
  2. 産休育休取得の推進
  3. リモートワーク可能
  4. 教育制度の充実
  5. 資格取得の推進
例文1
『ワークライフバランスが整っていることをアピールしたい』

  • ”社員により良いパフォーマンスを発揮してもらうためにも、家事・育児・介護といった個人の都合に合わせた柔軟な働き方「フレックスタイム制」を推進しています。”
  • ”通勤によるストレスや感染症によるリスク軽減のため、リモートワークを週に1-2回導入しています。”
例文2
『スキルアップを支援していることをアピールしたい』

  • ”入社後に、費用を当社負担にて業務に必要な資格を取得することが出来ます。未経験からチャレンジしたいと思っている方は当社で学びながら働きませんか。”
  • ”海外留学支援制度があるので、将来的にグローバルに働きたい方のキャリアアップを支援します。”

4:3. 心に刺さるキャッチコピー

募集要項で最も他社と差別化できる点は、キャッチコピーです。
キャッチコピーは少ない言葉でありながらその仕事の内容や会社の雰囲気、価値観すらも映し出します。

求職者の心に刺さるキャッチコピーを打ち出しましょう。以下、キャッチコピーの作り方ポイントと例をご紹介します。

キャッチコピーの作り方ポイント
  1. ターゲットを想像し、響く言葉を選ぶ
  2. 一文は長くせず一語一句簡潔に
  3. 適度な情報量(多すぎず、少なすぎず)
  4. 主観的な表現は避け、客観的な事実を書く
  5. メリットは具体的に書く
例文1
×: 【事務スタッフ募集】待遇充実♪プライベートとの両立も♪
:【事務スタッフ募集】社宅完備・社食利用可!月残業5時間以内

変更ポイント

  • 「待遇充実」→「社宅完備・社食利用可」
  • 「待遇充実」だけだと給与・休日・勤務時間・福利厚生などどの待遇を示しているかがあいまいです。
    ここでは待遇の内容が具体的にイメージできるよう「社宅完備・社食利用可」など詳細を記載しましょう。

  • 「プライベート両立」→「月残業5時間以内」
  • プライベートとの両立は人により感じ方や定義がそれぞれなので、認識の誤解を生んでしまいやすいです。
    「月残業5時間以内」などと客観的事実を書いて、月5時間以内の残業なら1日あたりの残業が0-30分以内には収まることになるので、残業がほぼなくプライベートの時間が充実するというイメージを持たせられます。

例文2
×: ものづくり系エンジニア
:アプリ開発に携わるエンジニア募集!マネージャー候補

変更ポイント

  • 「ものづくり系エンジニア」→「アプリ開発に携わるエンジニア」
  • 変更前の文章だけでは、どういった分野のエンジニアなのかイメージが湧きづらいです。
    変更後のようにタイトル前半に「アプリ開発」と付け加えることで応募者が、エンジニアとしての技術をどんな場所で発揮出来るのかの想像が出来ます

  • 「マネージャー候補」追記
  • 給与、成長、人間関係、地位など求職者によって重要視することは様々です。
    今回の場合は「マネージャー候補」という文言追記により、経験のあるミドル層かつ組織をマネジメントしたい人達に訴求できる文言となっています。

4:4. 誰が見ても理解できる文章

求職者は大量にある求人情報から気になる求人をチェックしています。大量の求人情報の中から「もっと知りたい」と思ってもらう一社となるためには、ひと目で内容が理解出来るような募集要項である必要があります。

専門用語を使わずに分かりやすく、かつイメージが具体的に湧くような文章で記載することが、求職者の応募意欲を高めることへとつながります。

分かりやすい文章のコツ
  1. 曖昧な表現はせず、数字・具体例などを使って書く
  2. 中学生でも理解できるように、専門用語を多用せずやさしい文章で書く

実際に例文を見てみましょう。

例文1:仕事内容
国内最大級の飲食系Webメディアの運営メンバーとして、記事企画・ライティングなどの業務をお願いします。

ライティングにあたり、直接飲食店を経営する企業様にお会いしインタビューを行うこともあります。分からないことがあっても、先輩社員のアドバイスや業務マニュアルも完備されているので、安心して業務を行っていただけます。

また、個人で作業をするのでなくチームメンバーでフォローをし合って進行していく案件が多いので、業界未経験の方でもチャレンジ頂けます。

例文2:事業内容
コンサルティング業界に特化した人材紹介サービス事業を行っています。
創業して20年以来、様々な分野のコンサルティング会社とお取引をし、実績を積んできました。

個々の会社様が抱える経営課題や採用に関する悩みを丁寧にヒアリングし、適材適所な人材をアサインします。(厚生労働大臣許可番号XXX)

※コンサルティング業界は、○○年以降市場ニーズが継続拡大しており、それと並行して弊社の事業も成長し続けています。
昨年実績(20XX年X月時点)における弊社の求人依頼数はXX名と、コンサルティング業界における人材紹介では業界トップクラスです。

このように、専門用語を使わずに分かりやすく、かつイメージが具体的に湧くような文章で記載することが、応募者殺到の秘訣です。

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5. 募集要項を書く際の注意点


続いては、募集要項を書く際の注意点をご紹介します。
きちんと押さえておかないと、法律に触れてしまう危険もはらんでいるので注意が必要です。

5:1. 賃金については詳細を書く


賃金は特にトラブルになりやすい項目です。厚生労働省によると、「求人票の記載内容と実際の労働条件の相違」に関する申し出8,507件のうち、最も多い27%を占めたのは『賃金に関すること』でした。

求職者との認識の齟齬をうまないためにも、なるべく誤解を与えない書き方を心がけましょう。
例えば、「月給○○万円~○○万円」といったあいまいな書き方はせず、実態の支給額に近い金額を提示するなどといったことです。

5:2. 労働条件変更の際は明記する


2017年の職業安定法改正(第5条3、第3項)により、掲載当初から労働条件に変更があった場合、採用者は求職者にその旨を速やかに知らせることが必要となります。
以下のケースは通知が必要な事項です。

通知が必要な事項

  • 最初と異なる条件を提示する
  • 例:基本給25万円/月 → 基本給20万円/月

  • もともとの条件を削除する
  • 例:基本給20万円/月、残業手当2万円/月 → 基本給20万円/月

  • 条件の範囲を具体的に指定する
  • 例:基本給20万円~25万円/月 → 基本給23万円/月

  • 新たな条件を提示する
  • 例:基本給20万円/月 → 基本給20万円/月、残業手当2万円/月

変更を明示する方法

(1),(2)のいずれかの方法で明示します。

(1)変更前後の労働条件を「比較対照可能な書面」を交付
(2)労働条件通知書(※)で変更箇所に着色、アンダーラインや脚注をつけることで変更箇所を提示

※労働条件通知書
労働条件に関する事項を明記した文書。労働基準法により、労働契約を締結する際に企業側は労働条件通知書などの形で、書面で労働条件を通知する必要があると定められています。
参考:厚生労働省「労働条件通知書の様式」

5:3. 性別・年齢・国籍等、差別につながる記載はNG


男女雇用機会均等法により、性別に関わらず平等に雇用の機会を設けるために、性別を限定する表現は禁止されています。

×悪い例

  • 「女性向けのお仕事」「意欲のある男性」等、男女により異なる条件を設ける
  • 「○○レディ」「営業マン」等、どちらかの性別のみを指す表現の言葉を使う
  • 「営業職男性5名:女性2名」等、性別ごとに採用人数を決める
  • 写真・イラスト等でどちらかの性別に偏ったビジュアルを用いる

例外として、業務の遂行上どちらかの性で行うことに合理的な理由があれば、認められる場合はあります。
参考:厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」

5:4. 職種名は簡潔にわかりやすく


職種名は誰が見てもわかるよう、社内用語ではなく一般的な表現を使いましょう。

○良い例

  • 通訳コーディネーター
  • 開発エンジニア
  • データ入力、資料作成スタッフ
  • 電子機器の販売

×悪い例

  • ふれあいスタッフ
  • オープニングスタッフ、未経験OK!
  • 東証一部上場課長
  • 職種名は求職者が最初に目にする部分です。簡潔に仕事内容が伝わる表記を心がけましょう。
    特殊な社内用語は避け、一般的な表現を使ってください。

    >>募集要項を書く際の注意点に戻る
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    6. 募集要項|改善事例

    ここでは実際の例文をもとに、改善例をご紹介します。
    早速修正前の文章を見てみましょう。

    6:1. 募集要項|修正前

    【募集背景】
    今回は経験を問わず、未経験の方からの応募を歓迎いたします。
    スタートアップ時期の会社を成長させつつ、ご自身も新しい分野の仕事にチャレンジしてみませんか?会社の未来を共に創ってくれる仲間を募集しています。

    【応募資格】
    ・いくつになっても本気で仕事を楽しみたい方
    ・未経験、第二新卒歓迎!社会人経験も問いません
    ・人柄重視

    【こんな方を歓迎】
    ★社会人としてお仕事をスタートする方
    ★がっつり稼ぎたい方
    ★仕事で『やりがい』を見つけたい方
    ★自分に自信をつけ、手に職をつけたい方

    全体的に抽象的で求める人物像が明確でないほか、数字的な説明もないので働くイメージが湧きづらいです。

    修正後は以下の通りです。

    6:2. 募集要項|修正後

    【募集背景】
    当社は2015年に本社を設立したばかりのスタートアップ企業です。小さな会社ではありますが、徹底して顧客に寄り添った業務改善を重ねることで飛躍的に成長を遂げています。

    常に社員の働きやすい環境を考え、週休二日制の休日や残業月15時間以内などしっかりメリハリをつけて就業いただけるよう徹底しています。

    この度、会社をより大きく成長させてくれる仲間を募集します。

    【応募資格】
    ・未経験・第二新卒大歓迎!
    ・完全人物重視の採用!
    ・学歴・経験不問!

    【こんな方を歓迎】
    ★社会人としてきちんとした経験を積みたい方
    ★ONOFFのメリハリをつけて働きたい方
    ★《自ら稼ぐ力》を、社長を含むトップ営業から学び成長したい方
    ★頑張りを毎月評価され、やりがいを感じながら成長したい方
    ★お互い親身にサポートをし合える仲間と本気で仕事を楽しみたい方

    求める人物像が明確に示されているほか、労働時間なども明記されています。
    歓迎者の欄もより詳細に書かれているのでイメージがつきやすいです。

    募集要項の内容を少し変えるだけで、応募者数は劇的に変わります。
    同じ言葉の意味でも、表現方法ひとつでいかようにも工夫して変えられるのです。

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    7. まとめ

    この記事では、募集要項の基礎知識や応募が殺到する書き方のポイント、注意点等を事例をもとにご紹介させて頂きました。

    求人票に書かれる募集要項は、求職者が一番最初に企業に触れるいわば「企業の顔」といっても過言ではありません。
    きちんと要点を押さえたうえで、魅力的な打ち出し方をすることで応募者の応募意欲を駆り立てるるものへと仕上げましょう。

    なお、派遣コネクトは、貴社の採用に関する課題をヒアリングし、条件に合わせてコーディネーターが最適な派遣会社を提案するサービスです。
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